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ホルスト 組曲「惑星」Op.32 (マシューズ作曲「冥王星」付)

 昔、ホルストの「惑星」をやろうとしたあるオーケストラの楽譜係が、本番直前になって「冥王星の楽譜がないっ!」と慌てふためいた・・・と思ったら、作曲当時まだ冥王星が発見されていなかったから無くて当然だった、という笑い話をきいたことがあるが、2000年になって同じくイギリスの作曲家コリン・マシューズ氏が、指揮者のケント・ナガノ氏の依頼で「冥王星」を作曲してしまった。もうこれで、この笑い話は使えなくなるではないか、まったく。まあ、そういうわけで今日はその冥王星付の惑星を聴いた。

 「ホルストといえば惑星」というくらいメジャーなこの組曲だが、彼は他にも声楽作品や弦楽アンサンブル、協奏曲などで良い曲を書いているのに、あまり知られていない。このことはホルスト自身も不満であったようで、「作曲者自身はこれを佳作の1つとして数えてはおらず、他の作品が尽くその影に隠れてしまうことに不満を洩らしていた」(ウィキペディア)という。とはいえこの「惑星」は、それぞれの曲が個性豊かに輝いており、魅力的な組曲であることに間違いはない。


グスターヴ・ホルスト


 グスターヴ・ホルストは、1874年に生まれ1934年に没したイギリスの作曲家だ。若い頃からインドの哲学に熱心に取り組みサンスクリット語まで修めてしまうなどしていた彼だが、1913年に作家のクリフォード・バックスから占星術を習うとそれに強い興味を持ち、そのような過程からこの組曲が生まれた。作曲は1914年から開始され、初演が1918年9月29日。まさに第1次世界大戦の真っ只中に作曲され、初演されている。

 何はともあれ有名なのは第4曲「木星、快楽をもたらす者(Jupiter, the Bringer of Jollity)」である。特に中間部のアンダンテ・マエストーソの旋律は、美しく、感動的である。次に有名なのは第1曲「火星、戦争をもたらす者」。まるでベイダーが出てくるかのような4分の5拍子のリズムに乗せて、格好の良い音楽が繰り広げられる。特に有名なのはこの2曲だが、全曲の中で最も重要で内容の濃いのは木星に続く第5曲「土星、老いをもたらす者」だろう。

 さて肝心のマシューズが書いた「冥王星」はというと、とても良い。確かに曲はホルストのスタイルを踏襲するものではなく、全くの別物とする意見もあるようだし、またホルスト自身が、冥王星が発見されてからも書き足さなかったことから、海王星の、消え入るように終わる最後の女声合唱で締めくくられるほうが良いとする向きもあるだろう。しかしマシューズの書いた楽曲は本当に良く考えられており、この曲が入ることで、聴後、より一層の充実感がある。神秘的な静けさに始まり、嵐のような爆発を経て、再び静寂へと向かう様は、まさに破壊と再生をもたらす者プルートだ。


ホルスト 組曲「惑星」


[試聴]
http://ml.naxos.jp/album/8.555776

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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

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