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J.S. バッハ 無伴奏チェロ組曲第1番 - 第6番 | ガスティネル

 アンヌ・ガスティネルというチェリストをこれまで知らなくて、たまたまナクソス・ミュージック・ライブラリーの今週の一枚に挙がっていたので聴いてみた。なんでこれまで知らなかったんだろう。素晴らしいバッハの無伴奏だった。


V5121.gif


 バッハの無伴奏チェロ組曲は不思議な曲だと思う。この曲を聴くと昔学生オケにいた頃に、チェロにいたA先輩とB先輩のことを思い出す。A先輩は幼少からチェロを弾いてきて、それは聴き惚れてしまうほどの美音をお持ちのとてつもなくお上手な方。B先輩は学生オケに入ってからチェロを始めた方で、でもとても良く練習されたので無伴奏が弾けるくらいに上達された方。でも音の美しさや技巧はA先輩には及ばない。それなのにお二人が弾く無伴奏を聴くと、圧倒的にB先輩のチェロのほうが真に迫り、深みのある満足感を与えてくれるのです。逆にA先輩はラフマニノフのヴォカリーズなどを無伴奏でお弾きになると、その場の女子が全員うっとりして練習にならなくなるくらいの素晴らしい弾き手でいらしたから、それぞれ向き不向きもあるかもしれない。でも一般的にクラシック音楽というものは、「ただ弾く」ことはできても最低限の技術的な完成がなければ「演奏する」ということはなかなか難しいのに、この曲はそれだけで割り切れないものがあるようで、なんとも不思議な感じがするのです。

 話が大きくそれてしまったけれどこのアンヌ・ガスティネルさんの演奏は、一流の技術に支えられてはいるもののそれだけでないものがある。往年の巨匠が弾いてきたむせ返るほどの密度や深遠なる精神性というのともちょっと違う、どこまでもナチュラルな呼吸と自然体の音楽。だけどそれでいて清らかな深みと妙なる律動の中に、いつのまにか誘われているようなそんな演奏。素晴らしい音楽に心から感謝。


[試聴]
http://ml.naxos.jp/album/V5121



--ウォーキング記録--
[本日]
歩数:10,381歩
距離:7.83km
時間:1時間27分
時速:5.40km/h

[累計]
歩数:108,747歩
距離:66.03km
時間:14時間32分
時速:3.85km/h
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

J.S.バッハ フランス風序曲ロ短調 BWV831 | アンデルジェフスキ(Pf)

 ピョートル・アンデルジェフスキといえば、この間もシューマンで楽しませて頂いたけれど、今日は前にBSで放送されたバッハのフランス風序曲を聴いた。一言で言って素晴らしい。研ぎ澄まされたタッチとアーティキュレーションが生み出す素晴らしいバッハ。常に聴き手に語りかけてくる音楽がここにはある。

 グールドはバッハを再構築し、ポリーニはバッハを録るのに67年以上の歳月を要した。でもこの若いアンデルジェフスキの演奏には、気負いというものが感じられない。的確なアーティキュレーションによる隙の無い演奏ではあるが、それが固くならず自然に流れていく。

http://www.youtube.com/watch?v=NHgHFjchZ1g
http://www.youtube.com/watch?v=VRLXf4XrtMY&NR=1
http://www.youtube.com/watch?v=R7qQs-bAHHw
http://www.youtube.com/watch?v=sni-CDILDX4

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

J.S.バッハ カンタータ第140番「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV.140

 昨日は結婚式が軽井沢であって出かけてきた。久しぶりの軽井沢は、すっかり秋の雰囲気で、深い森の中で行われる式は素晴らしいものだった。


J.S.Bach BWV.140


 披露宴の中で、新婦のお姉さまとピアノの先生が連弾でピアノをお弾きになり、それがこの「目覚めよと呼ぶ声あり」である。元々はカンタータであるが、バッハ自身によってオルガンに編曲されたり、今日ではピアノ編曲版などでも親しまれている。真夜中に「目覚めよ」という物見の声がして、花婿がやってくるから、ランプをとって、婚礼の支度をせよ!と命じられ・・・といった内容の、喜びに満ちた曲である。今日演奏されたのは、最も有名な第4曲のコラール。歌詞は次のようなもの。

Zion hört die Wächter singen,
Das Herz tut ihr vor Freuden springen,
Sie wachet und steht eilend auf.
Ihr Freund kommt vom Himmel prächtig,
Von Gnaden stark, von Wahrheit mächtig,
Ihr Licht wird hell, ihr Stern geht auf.
Nun komm, du werte Kron,
Herr Jesu, Gottes Sohn!
Hosianna!
Wir folgen all
Zum Freudensaal
Und halten mit das Abendmahl.

日本語にするなら、

------------------------------------------
シオンの人々は物見が歌うのを聴いて
心は弾み 急いで立ちあがります

いと高き天からその友は来て
溢れる慈悲によって 強い真実によって
その光は明るくなり 星はのぼります

来てください 最上の存在
主イエス 神の子よ
ホザンナ!(私たちに救いを!)

私たちは全てついていきます
喜びの間へと
そして晩餐をもちましょう
------------------------------------------

といった感じでしょうか。
(訳が間違っていたらすみません。。。教えてください・汗)


カール・リヒター指揮 ミュンヘン・バッハ管弦楽団



オルガンで



ちなみにお料理も・・・


エビのお造り



うまかった。


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J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集第1巻BWV846-869 | マウリツィオ・ポリーニ(Pf)

 この感動をどのように表せばよいのだろうか。今月頭に発売されたマウリッツィオ・ポリーニが弾くバッハの平均律クラヴィーア曲集。あのポリーニによる待望の初のバッハ録音である。発売日近くには入手していたのだが、なかなか聴く時間が取れず、今日にいたっていたが、いつものことながらああ、なんでもっと早く封を切らなかったのだろうと後悔している。それほどに素晴らしく、深遠な演奏が広がっている。

pollini_bach001.jpg


 前評判も高く、また67歳にしてバッハを始めて録るというポリーニの心境というのはいかほどのものだったのだろうかと思っていた。まるで予想がつかない。徹底した完全主義者であるポリーニである。しかもチェンバロではない。ピアノ・・・このダイナミズムとタッチによる無限の表現の可能性を秘めた鍵盤楽器を用いて、一体どこまでを、そしてどのように、描くのか。それは研究に研究を重ねた末の、絞り出すような一滴一滴の粒の集合に違いないだろう。しかしそれがどのような音であるのかは直前まで皆目見当がつかず、そのような心境の中で最初のプレリュードの冒頭のC音が鳴った。なるほど、こういうことか。これを言葉で説明するのは難しいけれど、思わず心の中で「この音を待っていたんだ」とつぶやいた。このようにして伸びやかに、十分な節度と十分な豊かさをもって歌われるバスを追ううちに、風のように前奏曲は終わった。第2曲からは、ドラマが始まる。ここで驚いたのは、ポリーニのうなり声が聞こえる。ポリーニが歌っている。ピアノを弾きながら。

 唸っている。しかしそこで現れる音楽は、非常にポリーニらしいもので、奇抜なリズムの動きもなければ、自己陶酔に走ることもない。むしろ純粋すぎるほどに拍節法にかなった教科書的な演奏といえ、そうした盤石の土台の上で、決して一瞬たりとも飽きることのない、生命力と精神性の漲るドラマが繰り広げられている。まるで研究を深めるあまりバッハの精神と最も深いところで結合したかのようなポリーニの心が、研ぎ澄まされた指先のタッチを通じて語られているようだ。

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J.S.バッハ カンタータ第82番「我満ち足れり」BWV 82

 休日も出勤となることが多く、今日もそんなこんなで出勤であった。せめて帰宅後の一時には静かな癒しの音楽でも・・・と思い、バッハのカンタータを聴いている。こんなことを言うと、バッハ通の方からは、バッハの音楽は常に生のドラマであって、それを聴いて癒されるなどおかしいとお叱りをうけるかもしれないが、でもやっぱりこれほどの包容力がある音楽というのもないと思う。今日聴いたのはバッハが1727年に書いた「我満ち足れり(Ich habe genug.)」。ライプツィヒ時代を代表する教会カンタータの一つであり、これは全曲バスの独唱で歌われる。

 1723年、ライプツィヒのトーマス・カントル(ライプツィヒ聖トーマス教会音楽監督)という名誉ある職に選ばれたバッハは、市当局や大学、聖職会議などの間で、彼の音楽以外の瑣末な事柄にいろいろと悩まされることになるが、それでもこの重要な教会の音楽を任されたバッハは、ライプツィヒ市にある主要な2つの教会、すなわち聖トーマス教会と聖ニコライ教会で、毎週代わる代わるカンタータを一曲ずつ演奏させることにした。そこで大量のカンタータが必要となり、事実、バッハの伝記作者であるフォルケルは、18年間に全部で295の作品が出来たと語っている。(*1)今日現存する200曲近いカンタータはまさに人類の宝といえる。その点では、バッハの世知辛いライプツィヒでの生活のおかげといえる。

 この曲には有名な名盤がある。名バリトンのディートリヒ・フィッシャー=ディースカウがカール・リヒターと遺した盤。幼子イエスに会ったことで、魂の充足とともに天へ召される老シメオンの想いを感動的に歌い上げる。

(手元の聖書より)
------------------------
その時、エルサレムにシメオンという名の人がいた。この人は正しい信仰深い人で、イスラエルの慰められるのを待ち望んでいた。また聖霊が彼に宿っていた。そして主のつかわす救い主に会うまでは死ぬことはないと、聖霊の示しを受けていた。この人が御霊に感じて宮にはいった。すると律法に定められてあることを行うため、両親もその子イエスを連れて入ってきたので、シメオンは幼子を腕に抱き、神をほめたたえて言った。

「主よ、今こそ、あなたはみ言葉のとおりに
この僕を安らかに去らせてくださいます、
わたしの目が今あなたの救いをみたのですから。
この救いはあなたが万民の前にお備えになったもので、
異邦人を照らす啓示の光、
み民イスラエルの栄光であります。」
------------------------


[試聴]第1曲「Ich habe genug」ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Bariton)



*1:クロード・レーマン著「バッハ 不滅の大作曲家」

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半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV903 | ピーター=ヤン・ベルダー(Cembalo) 大竹道哉(Pf)

 昨年購入したブリリアント・クラシックスの「バッハ大全集」を飽きずに聴いている。中には「ん?」と思うものもごくまれにはあるが、概ね素晴らしい演奏であり、とても気に入っている。今日はその中の一枚。バッハが遺した鍵盤作品の中から、イタリア協奏曲ヘ長調BWV971、パルティータロ短調(フランス風序曲)BWV831と、半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV903をピーター=ヤン・ベルダーのチェンバロで聴いた。

バッハ大全集


 ピーター=ヤン・ベルダー(http://ibizweb.nl/belder/)は、今日、チェンバロ奏者としても、リコーダー奏者としても活躍する1966年生まれの音楽家である。不勉強のためこの全集を買うまで実際の演奏を聴いたことがなかったが、本大全集の鍵盤作品の大部分を彼が弾いていることからも、うちのポコが彼の演奏を聴いて喜んでいることからも、その実力と水準の高さが分かる。スカルラッティの全集なども出しているようで、今後の愉しみがまた増えた。

 さて今日標題にしたこの「半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV903」であるが、これはバッハの書いた鍵盤作品の中でも、その峻厳さと内包するエネルギーにおいては、最高峰といえるだろう。タイトルの通り半音階的であり、ゆえに大胆な転調と相まって極めてエモーショナルなエネルギーを秘めている。後のベートーヴェンがこの曲を深く研究したというが、まったく納得できるドラマティックな内容だ。

Chromatische Fantasie und Fuge bwv903


 この曲、チェンバロも良いけれど、ピアノも良い。ちょうど全日本ピアノ指導者協会さんのページにて、ピアニストの大竹道哉さんが音源を公開されているので、勝手にご紹介してみる。以前、地元のピアノのイベントにアドヴァイザーとしてお越しいただいたことがあり、気さくで暖かいお人柄にスタッフ一同、楽しい時間を過ごさせていただきました。


[試聴]
http://www.piano.or.jp/enc/dictionary/composer/bach_j_s/000869.html

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

J.S.バッハ 「マタイ受難曲」BWV244 | リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管(58)

 今年も「レコード芸術」誌が5月号と6月号で恒例の「名曲・名盤」特集をやっていたが、その5月号に、私の愛してやまないJ.S.バッハの「マタイ受難曲」に加え、ロ短調ミサ曲と、ヨハネ受難曲まで載っている。音楽評論家の投票によって順位が決まるというこの企画であるが、ここで目を引くのは、バッハの3大宗教曲ともいえるこれら3つの大作の全てにおいて、カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団の盤が、極めて順当な評価を得て1位を独占していることである。これは普段ならば目を引くことでは決してない着地である。「鍵盤ならグールド、マタイならリヒター」という、バッハ演奏の評価としては極めて教科書的な結果。でも今年は、そうした驚きがなく面白味のない評価が逆に新鮮に感じられた。そろそろ古楽アプローチの盤、ガーディナーなりレオンハルトなりアーノンクールなりといった面々が1位を牛耳っても・・・くらいに思っていたからだ。

 そういえば少し前に「古楽全盛」と書いたことがあったけれど、確かに猫も杓子も古楽器を使ってという時期は既に過ぎ去っている。むろん今後も、古楽アプローチに影響を受けた潮流は続くだろうし、そのこと自体は個人的に大歓迎である。ただオーセンティシティというものを安直に考えすぎ、単純に作曲家との同時代性を模したただけとか、当時の演奏を再現しただけというような演奏は、今後ますます淘汰されていくのだろう。むろんこれは当然のことで、我々は「現代の」聴衆なのだから、そうしたことは音楽ではなく博物館に任せておけばよい。1950年代から60年代に録音されたカール・リヒターの演奏が今日も色あせることなくその普遍性が評価されていることを見ると、現代楽器によるアプローチにしても、ピリオド・アプローチにしても、要となるのはmusizieren......「音楽する」という普遍的なことであると改めて感じたしだいである。

 さて大バッハが書いたこの「マタイ受難曲」について。バッハ全作品の中でも最高峰と呼ばれるこの曲は、不朽の大作というにふさわしい貫禄と内容を持っている。一言でいえば、「大きく二部(通常68曲)からなる。第一部は29曲、イエスの捕縛までを扱う。第二部は39曲、イエスの捕縛、ピラトのもとでの裁判、十字架への磔、刑死した後、その墓の封印までを扱う。物語でありながら、一方で精緻な音楽的構造を持った作品でもある。」(ウィキペディアより引用)

 第1曲目がまずもって素晴らしい。冒頭、沈痛なホ短調の響きとともに、十字架を背負って歩くキリストの足取りのような重々しい通奏低音が奏でられる。そして私はいつも、冒頭のこのEの音が鳴り響く瞬間から、荘厳な音の伽藍と、凄絶な物語の中へと吸い込まれていく。

マタイ受難曲01

 曲は重厚な響きを保ちながら対位法的に進んでいき、やがて合唱が現れる。その合唱も左右に分かれ、そこに「神の子羊」を歌うボーイソプラノが加わって9部の(!)大合唱へと発展し、「als wie ein Lamm(子羊のように)」の言葉で終わるのである。

マタイ受難曲02

 なんと壮大で、なんと素晴らしい、人類の宝物なのだろう。この曲を前にして、余計な言葉はいらない。ただひたすらに彼方に連れ去られるのみである。

 数ある演奏の中で、やはり最高峰に輝くのはリヒターだろう。(もう一つメンゲルベルク盤があるが、それはまたの機会に書くことにする。)キリストの受難を、一切のオブラートに包むことなく、徹底的に厳しく追求している演奏は、50年以上経つ今も色あせることはない。


カール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団
J.S.バッハ「マタイ受難曲」より第1曲





テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

ざるラーメン(つけ麺)と、J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲

昼食の時間が十分に取れないほどに忙しく、今日は幸楽苑のラーメンを食べに出かけた。そこで何を思ったのか、今日は普段あまり食べない「ざるラーメン(つけ麺)」(大盛り)を注文してしまった。


ざるラーメン つけ麺


うん、美味しい。とても美味しい。でもついついお隣の中野市にある「丸長」という大変美味しいつけ麺のお店が頭をよぎってしまう。でもこれが通常390円で食べられると思うと、本当にありがたいことなのだけど。

午後は、日頃からお世話になっている文京楽器の担当者さんとしばし歓談。ちょうどお持ちになっていたヴァイオリンの中から、文京楽器さんが扱う「ピグマリウス」というモデルのものをいくつか試奏させてもらった。

今日弾かせていただいたものの中で最高だったのがこれ。

Pygmalius REBIRTH
Pygmalius REBIRTH \1,800,000

素晴らしい音色!(><;;
素晴らしい価格!(@@;;

実は担当者さん、チェロをお弾きになる。
というわけでリクエストしたところ、J.S.バッハの無伴奏チェロ組曲を弾いてくださった。

チェロ
(お顔はNGだそうである。)

チェロってかっこいいなあとつくづく思った。

テーマ : バイオリン - ジャンル : 音楽

バッハ大全集(CD155枚組)が・・・(@@;;;

 昨年購入したJ.S.バッハ大全集(CD155枚組)。ブリリアント・クラシックスというオランダのレーベルが出したBOXセットである。そして今後は、輸入物は特に気をつけようと思った。
バッハ大全集
 決して品質のことではない。品質も内容も演奏も最高のBOXである。実はこのBOXセットは、155枚も入っていて2万6千円前後。ということは、1枚あたり170円という破格の安さなのである。大抵この種のものは安かろう悪かろうというのが相場であるが、このBOXセットは、まさに逆。今をときめく古楽界のメジャー奏者がびっしりと並び、演奏の水準、録音など本当にこのBOXを買ってよかったと思っている。では何に気をつけるべきか。輸入物がきたら、「ちゃんと全部入っているか確認しよう」ということである。

 今週の日曜日のことである。バッハの鍵盤楽器のための曲を楽しもうと思って、このBOXを久しぶりに開けた。鍵盤楽器のための曲(KEYBOARD WORKS)には、VOLUME II というカテゴリーが与えられていて、それぞれCDの番号が「CD II-1,CD II-2,CD II-3,……」という具合に続くのだが、いくら探してもCD II-1がない(汗)。代わりに、なんとCD II-2が2枚も入っているのである!


CDII-2ダブリ



 写真のとおり、まったく同じものである。これは困る。大全集というのは全部揃うから価値があるのであって、1枚でも足りなければ一気に価値が下がってしまう。なんということだろうか。

 不幸中の幸いは、購入したヤマチクという業者さんのとても素早く、気持ちの良い対応に救われたことだ。すぐに新しいCD II-1を送ってくれるとのことで一件落着。このお店で購入して良かったと思った。

 この話、実はまだ続きがあって・・・


CDII-12ダブリ



 CD II-12も2枚入っていたΣ( ̄ロ ̄|||)

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J.S.バッハ フランス風序曲 | グレン・グールド(ピアノ)

 私の勤める会社は2月が決算なので、この時期とても忙しい。でも今日は午後だけ休暇が取れたので、久し振りにじっくりと音楽を聴こうと思った。偶然につけたニューヨーク・タイムズのラジオから、ピアノ、それもバッハが流れていた。こちらは15時台だから、向こうは深夜の1時すぎ。深夜放送になるのだろう。通常ハープシコード(チェンバロ)が用いられるバッハの音楽をピアノで弾いていて、録音中であるのにおかまいなしにハミングが聞こえる・・・となればまず間違いなくグレン・グールドで、番組表を見るとはたして彼が弾くJ.S.バッハ作曲「フランス風序曲」だった。


グレン・グールド フランス風序曲
Sony 52609

 グレン・グールドは、1932年に生まれ、1982年に没したカナダのピアニストだ。7歳でトロント王立音楽院に入学し12歳で卒業。デビュー後は世界各地で公演を成功させ絶賛された天才である。

 今日聴いたバッハも、黒光りするような硬質な音の粒ではあるが、そこで紡がれる音楽は、まるでハープシコードのような典雅な響きがある。グールドの類まれなる音楽性とともに、これはグールドの使うピアノのためでもあるんじゃないかと思った。「グールドは浅いタッチを好み、それは極端に浅い(軽い)ので時には演奏や録音の最中に問題を起こすことがあった。ピアノは打鍵するとフェルトのハンマーが弦を打ち、続いてバックチェック(註・戻ってくるハンマーを受け止める機能)がハンマーを安定させる。だがグールドの場合は打鍵のアフタータッチの感触がほとんど無く、時にはハンマーが弦とバックチェックの間を上下に踊ることがあった。」(フランツ・モア著「ピアノの巨匠たちとともに」)

 フランツ・モアという人は、長年スタインウェイ社のコンサート・テクニシャンとして、グレン・グールド、ウラディーミル・ホロヴィッツ、アルトゥール・ルービンシュタイン、エミール・ギレリスといった伝説的な巨匠ピアニストの調律を担当したピアノ技術者(調律師)である。この記述を読む限り、グールドのピアノは、ハープシコードのタッチに極めて近いことがわかる。きっとハープシコードのように軽く、指先による打鍵と、それに続く打弦の感触が一体となって感じられるようなタッチだったのだろう。しかし同じくグールドの弾くブラームスなどを聴くと、アフタータッチの感じられないピアノで、よくあそこまでコントロールされた音楽ができるものだと感心してしまう。グールドが好んで用いたCD318という製造番号のスタインウェイは、彼の癖によほどよく馴染んだアクションだったのだろう。

 グールドの弾くバッハは、パーフェクトに把握しきった楽曲の構造に対する理解に加えて、ピアノが良く歌い、瑞々しい。32歳の若さで一切のコンサート活動を停止し録音一筋に生きた彼であるが、こうして遺された演奏を聴くと、その音楽に内在する見事な即興性は何度聴いても初めて聞くような新鮮味がある。

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