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アルヴェーン 交響曲第1番へ短調作品7

「私と一緒にフィンランドに行きませんか?」

 学生時代、2学年上でラリーの雑誌編集者となっていたクルマ好きの先輩に誘われたのを良く覚えている。突然下宿を訪ねてきた先輩と、いきなり自宅で飲みだしてしばし。「ミカ・ハッキネンの取材に行くんです。長くなります。私と一緒にフィンランドに行きませんか?」そういっていつも敬語で話すクールな先輩が、珍しく笑いながら一言、いった。

「北欧っていいよね。」

 あのとき本当にフィンランドに行っていたら、今頃どうなっていたんだろうか。結局、この先輩の影響のせいで、今も変わらず私は北欧に憧れ、そしてまたクルマが好きなのである。

 北欧・・・オーロラがなびく冷涼な空気と豊かな自然。一種独特のイメージというか、魅力と美しさがある。それと同じく音楽もまた、北欧に固有の、あの響きをもって私たちの心に迫ってくる。グリーグ、シベリウス、ステンハンマル、ラウタヴァーラ、そして今日聴いたアルヴェーンも同じ。

 ヒューゴ・アルヴェーンは、1872年に生まれ、1960年に没したスウェーデンの指揮者であり、作曲家である。生涯を指揮者としても活躍したとおり、卓越した管弦楽法でスケールが大きく、色彩豊かな音楽を描いている。何といっても魅力的なのが5曲の交響曲で、これは初期に書かれた第1作目にあたる。生没年からすると、近現代の響きを連想しがちだが、アルヴェーンの音楽は極めてロマン主義的であり、その意味で保守的といえる。まるで19世紀後半の音楽を聴いているようだ。内容の充実度という点からは、後期の4番に比肩するものではないが、オーソドックスな4楽章構成にまとめられた音楽は、25歳の若書きということを一切感じさせない。和声の移ろいがとてもきれいで、安心して響きに身をゆだねることができる。

 何より恰好が良いのが、第1楽章の冒頭だ。重々しいティンパニのロールに続いて、独奏のチェロがf-mollの魅惑の旋律を無伴奏で奏で、その後一気に爆発する豊麗な管弦楽の響き。素晴らしい。第2楽章のロマンティックな美しさはたまらない。オーボエ、クラリネット、フルートが、見事な用法をもって扱われ、弦の調べとともに、どこか寂しげな世界を描き出していく。第3楽章は爽快なスケルツォ。最後の第4楽章は、ペッタション=ベリエル(ペーテション=ベリエル)を彷彿とさせるようなチャーミングな舞曲に乗せて、堂々としたフィナーレを迎える。


アルヴェーン 交響曲第1番
ネーメ・ヤルヴィ指揮
ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団


[試聴]
http://ml.naxos.jp/work/49246
http://ml.naxos.jp/album/BIS-CD-1478-80

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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

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