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グレツキ 交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」

 ポーランドを代表するヘンリク・ミコワイ・グレツキ氏が今月12日に亡くなった。全く知らなかった。今日久しぶりにナクソス・ミュージック・ライブラリーを開いてみたところ、この曲が今週の一枚になっており、その解説を読んで訃報を知った。

 かのペンデレツキ氏と並んで20世紀のポーランドを代表する作曲家。その代表作が今日聴いている交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」だ。この曲に出会ったのは高校生のときで、第1楽章の、まるで中世の旋法音楽が20世紀に蘇ったような音の渦、装飾の無い真実味、そして歌詞に、引きこまれた。


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 第1楽章は、低弦がその後幾重にも繰り返される定旋律を静かに奏でてはじまる。弦楽オーケストラが次第に声部を増やしながら追いかけ、繰り返され、音を増していく。まるで20世紀と15世紀が一緒になったような響きの中で一通りの頂点を迎えた後は、また静かに収束し、静かな歌が聞こえ出す。それは受難のキリストを見つめる母の、哀しみの歌。

 私の愛しい、選ばれた息子よ、
 自分の傷を母と分かち合いたまえ。
 愛しい息子よ、私はあなたをこの胸のうちにいだき
 忠実に仕えてきたではありませんか。
 母に話しかけ、喜ばせておくれ。
 わたしの愛しい望みよ、
 あなたはもうわたしのもとを離れようとしているのだから。

 第2楽章。ライナーノートによれば、この楽章に用いられた歌詞は、「ナチス・ドイツ秘密警察の本部があったザコパネの『パレス』で、第3独房の第3壁に刻み込まれた祈り。その下に、ヘレナ・ヴァンダ・ブワジュシャクヴナの署名があり、18歳、1944年9月25日により投獄される、と書かれている」とある。

 お母さま、どうか泣かないでください。
 天のいと清らかな女王さま、
 どうかいつもわたしを助けてくださるよう。
 アヴェ・マリア。

 第3楽章の歌詞は、ポーランドの地方の民謡。息子が戦死した母親の嘆きを歌う。


 何と悲しく、そしてまた何と美しい歌だろう。


 ナクソスさんでご紹介のものではないが、演奏は何と言っても、清らかなドーン・アップショウのソプラノ、デイヴィッド・ジンマン指揮、ロンドン・シンフォニエッタの演奏が素晴らしい。


[試聴]
第2楽章
http://www.youtube.com/watch?v=R90vDLHGs1Q

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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

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