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ルネサンス期の音楽 ジョスカン・デ・プレ「アヴェ・マリア」

 ルネサンスとは、一般には14世紀から16世紀にかけて興った、ギリシア・ローマ時代の文化を復興・再生しようとする一連の文化運動であるが、音楽の場合は、少々意味合いが違う。音楽史でいうルネサンスとは、この時代固有の音楽様式として呼称されるが、それは決して古代の文化を模したり、復興しようとするものではなかった。いわば「世間がルネサンス運動をしていた時代の音楽」といった程の意味だが、それは流れるように美しく、調和と均整の行き届いた極上の音楽である。

 ヨーロッパ大陸におけるこの様式の成立と発展において、忘れてはならないのがイングランドの作曲家ジョン・ダンスタブル(1390年頃-1453年)だ。百年戦争でのイングランドによる大陸支配の折にフランスで生活したダンスタブルは、イングランドの和声法であるフォーブルドン(偽和声または誤りの和声の意)を大陸へと伝え、これが中世以来のフランスのポリフォニー音楽やイタリアの旋律美と結びついてこうした音楽が生まれたといわれる。アルス・ノヴァ期の影響色濃い当時、ダンスタブルがもたらした3度や6度の響きは、当時の人々にとって、どれほど斬新で衝撃的だっただろうか。

ジョスカン・デ・プレ アヴェマリア
http://ml.naxos.jp/album/8.553428
(ジェレミー・サマリー指揮/オックスフォード・カメラータ)

 さてタイトルにあるジョスカン・デ・プレは、1450年頃現在のフランスに生まれ、1521年に没した作曲家だ。少年期や晩年の様子はあまり良く分かっていないが、ルネサンス音楽の全盛期であり、彼の流麗で卓越した技法は存命中から高い評価を受けていたとされる。そのモテットの中でも最高傑作のひとつと言われるのが、今日聴いた「アヴェ・マリア」だ。ジョスカンの音楽は、卓越した流麗な筆致であることはいうまでもないが、聴こえてくる調べはどこまでも自然で、清らかな美しさに満ちている。最後の沈思しつつ消え入るような「アーメン」は、ひたすらに安らかで、天国的な静けさ。5分40秒ほどの曲だが、この時間がいつまでも続いてほしいと思わせる、そんな曲である。混声四部にて歌うオックスフォード・カメラータの演奏が見事だ。
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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

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