スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

透明で潤い豊かなラフマニノフ

小川典子 ラフマニノフ


 ナクソスの今週の一枚に、ピアニスト小川典子さんが指揮者のオウェイン・アーウェル・ヒューズ、マルメ交響楽団と一緒に演奏した盤が挙がっていた。ラフマニノフの第2と第3のピアノ協奏曲が入っている。早速第2番を聴いてみた。

 全体を通して、とにかく無駄な力みがない。第1楽章、冒頭の鐘の音からして凄く自然だ。続くオーケストラも、何ら人為を感じさせないままに、第 1主題を滔々と奏で出す。互いの音を非常に良く聴きあう、こうしたアプローチのおかげで、独奏ピアノとオーケストラが十分に調和して聞こえる。そのため、よく「室内楽的」と呼ばれるこの第1楽章の特徴を一層味わうことができる。終わりのほうで経過句なしに突然現れる第二主題は、息を呑むほど美しい。第二楽章は甘美な流れ。マルメ響の肉厚な内声と豊潤なサウンドがクリアな分離感を伴って立体的に立ち上がり、ピアノは静かに語りだす。第3楽章は協奏曲ならではの醍醐味満載。自在に変幻する情感を余すところ無く弾ききっている。これまでの様々な演奏で堆積してきた古い地層がきれいに落とされ、楽曲本来のしっとりとした地肌が見える。

 透き通るような輝きと豊かな潤い。
 唯一の心残りは、空腹に耐えかねてうどんをすすりながら聴いてしまったことだ。(汗)


↓[試聴]小川典子(ピアノ)/オウェイン・アーウェル・ヒューズ指揮/マルメ交響楽団
http://ml.naxos.jp/?a=BIS-CD-900
スポンサーサイト

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

ブラームス 交響曲第1番ハ短調作品68

 毎年4月に行われる大展示会。このため、十分に音楽を聴く時間が取れず、日記を書く暇もなかった。それが本日無事終わり、夕食を同僚・後輩らととった後、帰宅した。だが、どうにも寝付けない。そこで何か無いかと棚を漁って取り出したのが、ブラームスの交響曲第1番だった。(ギュンター・ヴァント指揮/北ドイツ放送交響楽団)

 この曲を作るのに、ブラームスが21年もの長大な時間を費やしたという話は有名だ。ブラームスは交響曲という分野に関してベートーヴェンを強烈に意識していた。ベートーヴェンの遺した傑作「第9番」の後に、まだ交響曲を書いてみようと思うのだから仕方がないといえば仕方がないのだが、その意識の仕方が尋常ではなかった。20代前半に書き始めたものの、推敲に推敲を重ね、出来上がったのは40代。それはベートーヴェンという巨人との長い闘いだった。

 この曲はとても有名だから、名盤とされるものの数もたくさんある。シャルル・ミュンシュ指揮/パリ管弦楽団、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 /ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(87年盤)、ジェームズ・レヴァイン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団をはじめ、枚挙にいとまがないわけだが、ここ10年あまりは、1996年の4月に、ギュンター・ヴァントが北ドイツ放送交響楽団を指揮したライヴ録音が秀逸だと思っている。この演奏、とにかくテンポが速い。特に第1楽章の冒頭など、往年の名指揮者のテンポを想像していると、あっという間に置いていかれてしまうほどなのだが、それでいてなおヴァント氏の音楽は知的にコントロールされた節度のある造りを失わない。楽曲の構造がとても明確に伝わる、清潔で理性的なブラームス。素晴らしい。

 さて一気に4楽章まで聴きとおしてはみたものの、まだ眠くならない。そこで何か別の録音はないかとナクソスのページを探したところ、イタリアの名指揮者カルロ・マリア・ジュリーニが1979年にバイエルン放送交響楽団を振った演奏があって、思わず全部聴いてしまった。

 絶品だった。

 前述のヴァントの演奏とは好対照で、ゆったりとしたテンポにのせて、歌心溢れる音楽が流れてゆく。こうした特徴は、全ての楽章で実を結んでいるが、まずもって美しいのは第2楽章だ。弦楽、木管楽器とホルンが奏でる、哀愁を秘めたホ長調の調べ。他にも例えば第4楽章のあの有名な第1主題が現れるところなども、はっと驚きを受ける。大抵の演奏ではここは深い重さを伴った力んだ弾き方となるが、ここでの音楽はどこまでもたおやかで柔らかい。

[試聴]カルロ・マリア・ジュリーニ指揮/バイエルン放送交響楽団
http://ml.naxos.jp/?a=PH05021

ジュリーニ指揮 ブラームス交響曲第1番

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。