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ロパルツ 弦楽四重奏曲第1番ト短調

 19世紀後半の濃厚なロマンのコクにつつまれた厳粛な対位法。そんな弦楽四重奏を聴いている。

 フランスの作曲家ジョゼフ=ギィ・ロパルツ(Joseph-Guy Ropartz)の魅力について、このブログの初期に、国籍混淆と述べたことがあった。フランス的であると同時にドイツ的でもあり、またブルトンの民族音楽の香りがする。多くの優秀な作曲家がそうであるように彼の書法もまた独特である。1854年に生まれ1955年に没した作曲家だが、終生、ロマン主義的な音楽に根差したことも一つの魅了だろう。


Ropartz


 今日聴いたのは、19世紀の終わり1893年に書かれた弦楽四重奏曲の第1番である。演奏はスタニスラフ四重奏団というカルテットだが、よく知らない。ただ情感たっぷりと歌いだす第1楽章冒頭などは見事であるし、絡み合う各声部をきちんと描き分けている。第2楽章は民族音楽の楽しみに満ちている。第3楽章は白眉の美しさ。儚げなロマンティシズムあふれる楽想が移ろいながら、時にシンフォニックな響きすら持ちながら流れていく。"Vif et anime(活き活きと速く)"と指示された第四楽章はこれまた魅惑のブルトンの踊りがすぐれた対位法的処理によって一層高められている。

 それにしてもこのフランクからダンディを通じてもたらされたこの一派の音楽の、なんと魅力的なことだろう。フランス音楽のもつエスプリとブルターニュの素朴で純粋な民謡との出会いの妙味は、他では味わうことができない。こんな楽しい弦楽四重奏曲はめったにない。なぜ今日もっと演奏されないのかが、不思議でならない。

第1楽章冒頭
ロパルツ


[試聴]
http://ml.naxos.jp/album/1C1121

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

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