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ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲ニ長調とピアノ協奏曲ニ長調作品61

 昨日の第4番に引き続き今日もベートーヴェンのピアノ協奏曲を聴いているのだが、一連の5曲以外にニ長調の作品があるとは知らなかった。と思ったら、有名なあのヴァイオリン協奏曲のピアノ編曲版のことであった。クレメンティのすすめにしたがってベートーヴェン自身が編曲したもので、オリジナルのヴァイオリン協奏曲とともに今日聴いている。

 一言で言って耳になじむのはオリジナルのヴァイオリン協奏曲だが、ピアノ編曲版である協奏曲も、何というか非常に自然である。もっともこの曲は元々ピアノ的な発想で独奏部が書かれてしまった(*1)とも言われているそうだから、自然なのは当然なのかもしれないが。またヴァイオリン版では演奏者に任せられていたカデンツをベートーヴェン自身が書いている(しかもティンパニを伴う!)というのも特徴だろうか。いずれにしても面白い曲である。

 ベートーヴェンはヴァイオリンとオーケストラのために、ニ長調の素晴らしい協奏曲を1806年に書いた。1802年の10月6日(つまり207年前の今日であるが)に、難聴への絶望からハイリゲンシュタットの遺書を書いて危機に陥っているが、1806年ということは、それを克服して充実した曲を書き続けた中期の作品ということになる。1804年のエロイカ交響曲、1806年のピアノ協奏曲第4番、そして1807年の、シューマンが「2人の北方神話の巨人の間にはさまれたギリシアの女神」と言わしめた(同意はできないが)あの交響曲第4番といった具合に、力強く、活気のある曲が生み出されている。ロマン・ロランがいうところの「傑作の森」の中の一つである。第1楽章の堂々たる威風、第2楽章の不滅の精神性、第3楽章の伸びやかな円舞曲。どこをどうとっても愉しみに溢れ、素晴らしい歌心が埋め尽くされている。

 ところでこのヴァイオリン協奏曲だが、随分と時間がない中で作られ、初演時にあたったヴァイオリニスト、フランツ・クレーメントは初見で演奏する羽目になったとか。初演の12月23日に対して、早くても11月下旬に取りかかったということが自筆譜に使用されているインクの研究から明らかになっている(*2)が、何とも忙しいスケジュールの中で、これほどの曲を一気呵成に書いてしまうところも、ベートーヴェンの尋常ならざる力。まさに「炎の作曲家」(*3)だ。

*1:Jonas, Oswald 1931
*2:児島新 「ベート-ヴェン研究」 p148-149
*3:kurt2氏 「エクアール3」よりベートーヴェンに関する記述

[試聴]リサ・バティアシュヴィリ(Vn)
第1楽章
http://www.youtube.com/watch?v=t_mAlyBKkPU
http://www.youtube.com/watch?v=r-CO3CMRRTQ
http://www.youtube.com/watch?v=AIH9y3OGCjc
第2楽章
http://www.youtube.com/watch?v=0RxCD2rC8NE
第3楽章
http://www.youtube.com/watch?v=e0aUNwiUkCg

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

コメント

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炎の作曲家!!!

私はやっぱりVn協の方が好きかな・・・
一番最初にキチンと聴いたVn協です。。。。
作品って時間って関係ないんですね。。。
けっこう一気に書き上げるというか、そういうのって多くないですか?
岡本太郎氏の言うように、芸術は爆発だぁ!!!
なんでしょうね・・・
炎の作曲家の爆発だけに、スッゴイパワーです!!!

Re: こんばんは!

こんばんは!
素晴らしい名曲、そして素晴らしい内容ですよね。
そしてアンネ=ゾフィー・ムターですか!少女時代にカラヤンと録音したものは聴いたことあるんですが、クルト・マズアとの盤は聴いたことないんです。ムターといえば、昔は技巧が前面にといった印象だったんですが、ここ10年余りは特にマルチロールな活躍の影響もあるのか、次第に温かみと深みを増してきたように思います。また欲しいCDが増えました(笑)。

Re: 炎の作曲家!!!

はるりんさん、こんにちは!
読み返してみて、シューマンのセリフに「同意はできないが」というくだり、ちょっと言葉が足りなかったなあと反省しております。シューマンのとらえ方も素晴らしいと思う一方で、私には4番はあまりに生気が漲りすぎ、また力強い意思も感じられ、どうも乙女とか女神といった印象にならないといいたかったのです。すみません><;;

確かに芸術は爆発なんですよね。費やした時間と関係なく、書くときは一気。じゃあ、悩んでいた期間は無駄だったかというとそうでもなくて、そうした努力の上に、一瞬のひらめきから扉が開かれるんだろうなと思います。やはり炎の作曲家。スゴイです(@@;;

>けっこう一気に書き上げるというか、そういうのって多くないですか?
ええ、ありますとも。ありますとも。小学校時代の夏休みの課題や日記、大学時代のレポート、職場の業務計画・・・いつだって私はギリギリですっ。(←違)

気にしないで~~~

そんな~~~。気にしないでくださいな~~~。
人にはそれぞれ感じ方がありますし、シューマンは3番と5番はスゴすぎるけれど、4番もなかなかスゴいぞ!!! ということで、でも巨人に対抗できるのは勇者やヒーローではなく美女の方が食い付きがいいのではないかと・・・そんな感じではないでしょうか。。。
男性は美女に弱いですからね~~~。
もし自分がが知らない曲をロマンチストの友人からギリシャの乙女とか紹介されたら、ちょっと聴いてみよかな~~~って気になりませんか?
私は聴いてみたいと思います・・・・
え~~~。いったい4番ってどんな曲?興味シンシンです・・・・

私もいつもギリギリくん!!!
これもお友達ですね!!!

Re: 気にしないで~~~

はるりんさん、コメントありがとうございます。
ちょっと書き方が乱暴だったかなあと思ったんです。でもありがとうございます。

>もし自分がが知らない曲をロマンチストの友人からギリシャの乙女とか紹介されたら
これは間違いなく聴きたくなりますよね!
4番、良い曲ですし、乙女もいいなあと思ってきたたこです(笑)。
私も美女に弱いということでしょうか(汗)。

こんなたこですが、これからもギリギリ仲間同士、
よろしくお願いします^^
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