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音楽のハナシ02 古代ギリシアの音楽(2)

 ギリシアの人たちは神様とともに生きていたので、このアポロン、ディオニュソスについては、この時代の重要な楽器にも当てはまります。アポロン信仰の基礎となり象徴となった楽器が撥弦楽器のリラやキタラ。ディオニュソス信仰の象徴は管楽器のアウロスです。リラというのは小さな竪琴で、大きな竪琴をキタラといいました。またアウロスというのは今日でいうオーボエのようなリード楽器(葦で作ったリードという薄い振動体を震わせることで音を出す楽器)です。


リラ
lyre.jpg


アウロス
Euterpemuse.jpg


 こう考えると、オルフェウスの神話も納得です。亡くなった妻を取り戻しに冥府に出向き、悲しみに溢れる曲で恐ろしい地獄の番犬ケルベロスや渡し守、冥府の王様や王妃までしんみりとさせて妻を取り返したものの、最後地上の光を見て嬉しさのあまり、決して振りかえってはならないと言った地獄の王との約束を破って妻の顔をみちゃって失敗というあの話も、弾いた楽器はリラまたはキタラなのです。うっかりアウロス吹いたら大変です。わんこは興奮して庭駆け回り、地獄はどんちゃんさわぎで誰も話なんてきいてくれなかったでしょう。知性的な弦楽器の調べと、直感的で煽情的な管楽器の対比というのは、今日の感覚としても通じるところがあると思います。


地獄のわんこにリラ(キタラ)を演奏して聴かせるオルフェウス
zwq4bm4w.jpg


・・・・・・。

囲まれすぎっ!( ̄△ ̄;)




オルフェウスのリラ(キタラ)と首
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 ところでこの時代はまだ基本的にモノフォニー(単旋律)の時代。つまりハーモニーがなくて、一本の旋律線を基本的には一人で演奏するという音楽です。一方で、パート(声部)が複数あって重なって奏される音楽をポリフォニー(多声音楽)といいます。これについてP.H.ラングという人はこう書いています。


「今日の聴衆なら、ただ一人のアウロス吹きや、キタラ弾きにできる程度の単純な表現手段でもって、多彩、強力な近代管弦楽の創り出すものにひとしい深い印象を喚起しえたことを信じなさいと言われても、とまどうばかりであろう。しかしわれわれは、ハーモニーもポリフォニーも知らなかった時代のことを取り上げているのだということを忘れてはならない。古代の聴衆は、われわれにはわからないある熱心さで非多声的な音楽のメロディに聴き惚れ・・・(中略)・・・ギリシャ人は、旋律線のごくわずかなデリケートな動きを楽しむ能力をそなえていた。つまり彼らの耳は、和声的、多声的に訓練されたわれわれの耳にはとても知覚できないような、わずかな抑揚や色合いの変化をとらえるほど鋭敏なものであった。」



 その耳、欲しい。。。( ̄¬ ̄*)


[試聴]
Ancient Greek Music - Delphic Paean
http://www.youtube.com/watch?v=uJLZGBYxfbU
※ホントにこんな感じだったのかは知りませんが、雰囲気だけでもと思い・・・
コメント

う~~ん、想像がつかない

単旋律で音楽が進行するわけですよね。今の調ってものは当然ないわけで、でも当時は当時なりにセオリーはあったのかな。。。
今のように和声も調に支配された進行もないわけで、そうなると曲の抑揚をつけるには単純に考えると音を増やすってことになると理解していいのかしらん。。。
そうなると、今はオクターブの中に12の音があるわけだけど、当時のギリシャの人はオクターブの中にいくつぐらいの音を聴き分けていたんだろう。
少なくとも倍はあるよね~~。すっげ~や。大げさな話オクターブの中に100音ぐらいの音があったらどうします?
いや実際には無限にあるんだけど、ある意味人間の能力のぎりぎり限界に挑戦って感じかも。。。
な~んて勝手に想像しています。

古代ギリシャ人。恐るべし。。。
それが今は破たん寸前!みんなディオニュソスなのかしらん。

Re: う~~ん、想像がつかない

はるりんさん、こんにちは。
自動投稿機能の便利さについ甘えてしまい、実は月曜日に一気に書いたものを、適当な長さで区切って自動投稿しておりました(汗)。コメントへのお返事が次の記事と逆転してしまってすみません。。。

音階はあったんですけど、でも音を増やすっていうのも一つの突破口ですよね。実際、アラビアの音楽って、微分音(半音のさらに間の音)の嵐ですし。文化の違いってすごいですよね。よくいわれるように、私たち日本人は農耕民族だから、時雨、五月雨、村雨、氷雨など、天候に関する言葉が充実していて。でも一方で、狩猟民族である欧米人のように、リブとロースとサーロインとフィレに相当する言葉はなくて、ポークとビーフにすら相当する言葉がなくて。以前、虹の色数についても、日本人は7色が当たり前だけど、フランス人は5色、アフリカの人は20色以上に見えるとか読んだことがあります。音階の数も、旋法も、結局は文化なんでしょうか。たった5音でも、ドレミソラドだけで旋律を作ると、完全に演歌というか大和の響になりますし、ドミファソシドだと沖縄。面白いなあと思います。

もし音階に100音あって、しかもそれが識別できたら・・・もはや音を重ねる(=ポリフォニー)などいらないくらい充実した単旋律かもしれません。すごいです。

こんばんは

出遅れたので、どうせなら1日につき1記事読んでいこうと思います。

リンクしてあるYOU TUBEの古代ギリシャ音楽結構好きです。2回聴いてしまいました^^

ところで、古代はモノフォニーだったというのですが、このリンクしてある音楽は、ハーモニーがあるのではないですか?違うのでしょうか?
2つの楽器が織り成すハーモニーのように聴こえるのですが、何分素人なので.....
管楽器が主旋律を奏で、撥弦楽器が伴奏というわけではないのでしょうか。ハーモニーの意味を勘違いしていたりして.....恥ずかしっ!

知らぬは一生の恥と言いますもんね。
ご教示いただけると幸いです^^

Re: こんばんは

kurt2さん、こんばんは。
月曜日に書き溜めしたものを、小分けに予約投稿しておいたのですが、4日で尽きてしまいました(汗)。次のお休みに復習できた分だけまた書かせていただければと思います。是非、ごゆっくりお読みになってください。(でももし間違ってる部分などあったらすみません・・・。)

ご教示なんてとんでもないです。私も素人なので全然よくわかっていないのですが、ユーチューブの動画、実は私も気になってました。(1)の手前にあるリンクのものは、完全に現代のアレンジとハーモニーがつけられてます。その後、(1)の最後に張ってあるリンクは、ギリシア文明のものではなく、紀元後2~3世紀くらいのギリシアの音楽のようですが、ここではハーモニーとしての伴奏というより、リズムを刻むだけといった感じで、これなら単旋律といって差し支えないんじゃないかなあと。(2)=この記事のものも、リズムを刻んでますが、曲調に応じて通奏低音のようにルートをとっているような感じで、ホントにこんな風に演奏してたのかな?これもアレンジかな?と疑問が残ります。もっと素朴に、伴奏といっても、単旋律の同じ旋律を複数の楽器なり歌でなぞるだけといった感じだったと思います。

でもそんな素朴な音楽を聴いて、魂が震えたり、感じ入ったりできた古代ギリシアの人々の感受性と耳の鋭さってスゴイなあと思うんです。私もこの素朴にしてオリエントな響き、いいなあと思います。
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