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マーラー 交響曲第2番ハ短調「復活」 | ティルソン・トーマス指揮・サンフランシスコ響

Mit Flügeln, die ich mir errungen
Werde ich entschweben.
Sterben werd ich, um zu leben!
Auferstehn, ja auferstehn wirst du,
mein Herz, in einem Nu!
Was du geschlagen,
zu Gott wird es dich tragen!

私が勝ち取った翼で
私は飛び去っていこう!
私は生きるために死のう!
よみがえる、そうだ、おまえはよみがえるだろう、
わが心よ、ただちに!
おまえが鼓動してきたものが
神のもとへとおまえを運んでいくだろう!



 終楽章の最後の合唱が終わり、あの壮大なフィナーレが幕を閉じた瞬間。感動に浸る私の耳に響いたのは、

ぴろ~ん、ぽよよよよ~ん。

Σ( ̄ロ ̄;;


うちの子がおもちゃを引っ張った音でした。。。子供の日万歳...orz



 ここ数年のマーラーの交響曲の録音といえば、指揮者のマイケル・ティルソン・トーマス(MTT)とサンフランシスコ交響楽団(SFS)による全集が素晴らしいです。中でも今日聞いた交響曲第2番「復活」はとても素晴らしいです。

 たとえば・・・、マーラーの場合、f(フォルテ)とかp(ピアノ)とかの強弱記号が縦に全然そろわないわけで、

mahsc001ex.jpg

上の部分にしたって、あるパートはpで必死に繊細な音を神経すり減らして鳴らしているところで、あるパートはfffでガンガン鳴らしてます。しかもそのfffでやっているパートのそばで、ffでやっているパートもあれば、fでやっているパートもある。もっと細かく見れば音がそれで途切れるパートはいいですけど、たとえば音をタイとかで次のパートまで持続させるパート。ただfで音を持続させるパートがあるかと思えば、fpして持続させるパートもある。ffpなんてパート(ヴィオラとか)まで出てくる。こんなことがたった一瞬の重なりの中で起きている。しかもマーラーの場合、しょっちゅう全曲通してこういうことがある(汗)。

 想像してみてください。昔っから音楽は大体がフォルテならみんなフォルテ、ピアノならみんなピアノ。だからみんなが大きな音出せば、自分もつられて大きくすればなんとかなってきたわけですけど、マーラーはそうはいかない。pの人が間違ってもfffでなんかぶっ放したら、翌日はハローワークでしょう。それはいくらなんでもないにしたって、これだけ複雑な縦の重なりの中で、fffとffの間で自分の役割と立ち位置を見つけるのってなかなか難しい。こういうことをプロは平気でやるわけです。すごいなと思うわけです。

 ただこの複雑な強弱表記が「難しい」と言えるのかについては、また違った問題なわけで、マーラーは天才的な作曲家であると同時に天才的な指揮者であったといいますから、結局、「フォルテならみんなフォルテ、ピアノならみんなピアノ」な音楽をやるときに指揮者がやること(「そこの部分、オーボエはもうちょっと出して、ティンパニは抑えて、弦はもっと歌って!ホルン、もっと小さく!」みたいなこと)を全部スコアに書いちゃったとも言えて、のだめの千秋さまの真っ黒なリハを思い出せば、あれかと。だから忠実に強弱記号を守ればそれなりのサウンドになる。そういう意味ではやりやすいと言えるんでしょう。ただ上述のような複雑なことをやるにはそれなりに高度に訓練されたアンサンブル能力が必要となる。アマオケではなかなかできないわけです。

 つまらない話を長々と書いてしまったんですが、このティルソン・トーマスさんによるマーラーは、このようにマーラーがpppと書いた音からfffまでの間が10~20段階くらいあるように思えるほど微妙な強弱がつけられているように思うのです。そのうえで、「このパート、スコアの表記ではpだけどもうちょっと微妙に小さくするのか」とか、「このパートはあんまり変えないのか」とか、ちょっと新鮮な部分もあったりして(版が違うのかもしれないけど)、面白い。(いえ、スコアなんかなくたって素晴らしい演奏だから十分に楽しめるんですけど。)

 で、こういうことをやっているとさぞ楽団員は緊張の連続で、コントロールに必死で・・・と昔のジョージ・セルな演奏かと思いきや、全部のパートが生き生きと演奏しているように聞こえるわけです。またどんな細かな音、小さな音もしっかりと音楽して演奏されている。サンフランシスコ響のクリアなサウンドだから、こうした細かな部分までわかるのかもしれませんが、これってやっぱりすごいなと。

 90分弱の演奏時間があっという間で、しかももう一度通して聴きたくなる演奏。これは決して冒頭のぴろ~ん、ぽよよよよ~んがあったからだけではないと思います。ティルソン・トーマスさん、ありがとうございます。私の中で「復活」はこれがベストになるかもしれません。


82193600062.gif

[試聴]
http://ml.naxos.jp/album/82193600062

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

コメント

すごい

この「復活」、大好きですが、
たしかに音符で見るとすごいですね!
私は音符に弱い、っても音符にほとんど
接したことが無いのですが、
面白いですね。
音符を読む楽しさが伝わりました。

ティルソン・トーマスさんのサンフランシスコ響
の演奏も欲しくなりました。

No title

こんばんは

ティルソン・トーマスのマーラーは3番を聴いたことがあります。良かったです^^

アメリカ人の演奏はマーラー向きなのではと思います。ティルソン・トーマスは確かユダヤ系アメリカ人だったと思いますが、オケもアメリカ人で、しっくりきました。

Re: すごい

四季歩さん、こんにちは。

マーラーの楽譜、スゴイですよね><;;
楽譜って見てると楽しいんですけど、版によってスラーのかけ方が違っていたり、時には間違っていたりすることもあって、そういうの比較したり見つけたりしだすと果てしない世界が・・・凝りだすとドツボにはまるというか、結構マニアックな奥深さがあるような気がします(笑)。

MTTさんのマーラーもいいですよ~!

Re: No title

kurt2さん、こんばんは。
MTT&SFSの3番いいですよね。実はこの連休中に聴いて記事にしてあるんです。明日あたり、アップしようと思ってたんですよ~。
アメリカ人の演奏はマーラー向き・・・なるほどと思いました。
これ、名言ですね^^
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