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ディファレント・トレインズ | スティーヴ・ライヒ

 私たちが生まれた20世紀は、人類が未曾有のTotal War(総力戦)を体験した戦争の世紀でもあったといわれる。戦争を体験したことのない世代である自分にとって、それがどのように厳しく、どのくらい辛いものなのかは想像するしかないのだが、身近な人々が、それも経験したことのない規模で死ぬという経験は想像を絶する。「死は観念である。」として、「執着するものがあるから死に切れないということは、執着するものがあるから死ねるということである。」と、三木清は「人生論ノート」で書いた。だがそんなに単純なものなのだろうか。

 さて今日は随分と早く、朝5時くらいに目が覚めた。半分目が覚めたような、半分眠たいような状態で、なぜ、そうなったのか分からないのだが、ふとこのあいだの大晦日に見たスティーヴ・ライヒ作曲の「ディファレント・トレインズ」のことを思い出した。NHK教育でやっていたもので、ストリング・クヮルテット・アルコという、日本人による弦楽四重奏団が弾いている。この放送を見て以来、自分にとってこれが忘れられない衝撃となっており、朝からその録画をもう一度聴いた(見た)。

 (動画はこちらのサイトで見られるようだ。)

 スティーヴ・ライヒは、20世紀を代表するアメリカの作曲家だ。ミニマル音楽と呼ばれる、フレーズの繰返しを多用しながら音楽を構築する手法で特に有名であり、この曲もそうである。3つの楽章からなっており、「インタビューで録音された古い肉声を使用しており、その肉声が奏でる音程に合わせて弦楽器のメロディーが反復され、加速するといった」手法がとられ、「第二次世界大戦前のアメリカ、第二次大戦中のヨーロッパでのホロコースト、戦後のアメリカにおける汽車の旅が、汽笛の音を散りばめながら描かれている。」(ウィキペディア)

 難しいことはこのくらい。この作品は、理屈などいらず、凄い。特に9:03あたりから始まる第2楽章は、涙なくしては聴けない。後半、誰かがコメントした「戦争って、こんな形でも表わせるんだな。」という言葉がすべてを表しているように、ライヒの天才性とか、ストリング・クヮルテット・アルコが上手すぎることとか、演出が見事なことなどを通り越して、凄い。

テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽

コメント

こんばんは。

昔から色々な情景が音楽で表現されているし、
実際、曲を通して映像が見えてくることもありますが、

戦争、を表現された曲を聴いて、
どこまでそれを自分が受け止めることができるだろう…って思いますね。

怖いような。でも、聴いてみよう。

No title

>藍さん
冒頭から列車の音を模した弦楽器にのせて様々な言葉が繰り返されていきます。実は、数年前に初めて音だけで聴いた時は、いくつかの英語が十分に聴きとれず、今回字幕付きの映像で見て初めて曲の全貌が分かったというしだいです(汗)。

たとえば報道の映像や写真のように、戦争を生々しくリアルに伝えるという手法もあると思うんですけど、ライヒのディファレント・トレインズでは音という抽象的な素材を使いながら(言葉に頼る部分はあるのせよ)、こういう表現の仕方もあるんだなあと新鮮な感じがしました。

いつも御来訪、ありがとうございます。

こんにちは

チョコレートのコメントはできませんでしたが、カテゴリを眺めていたら、ライヒのこの演奏はちょっとコメントできるかも。だいぶ前の記事へのコメントになりますが、終戦の月ということで許して下さい。

お恥ずかしいお話の第2弾でして、全く知らなかった作曲家に演奏家のみなさんでしたが、あの放送の中でこの曲ぐらいインパクトがあってドギモを抜かれた曲というか演奏はなかったですね。
正直、お目当てだったボストリッジがどうでもよくなってしまったぐらいでした。
曲の手法がどうたら~ということは私にはさっぱり見当つかないのですが、音楽の表現方法というものにどっか~~んと一発頭にくらったとでもいうのか、演奏終了後に娘と「すっげ~」とハッピーアイスクリームでした。

シューマンが生きていたらこの表現手法をどう評するか・・・とか、いろいろ考えてしまいました。
あはは~、私ってやっぱりシューマンオタクです。
この演奏は音楽を超えています。凄かったです。。。

ところで、一番上の「畑を愛する」が「わんこを愛する」に変わっていますね~~~。

Re: こんにちは

はるりんさん、こんにちは。
コメント、ありがとうございます(^^

この放送、はるりんさんもご覧になってたんですね。大晦日の毎年変わり映えしないテレビ番組に食傷気味だったので、好きなクラシック番組ということもあって何気なく見始めたんですが、ホント、はるりんさんがおっしゃるように度肝を抜かれました。たとえ前衛志向であろうとも、天才性を見抜くことについては比類ないシューマンですから、きっと帽子を取れと言ったとおもいますよ~(^^

> ところで、一番上の「畑を愛する」が「わんこを愛する」に変わっていますね~~~。
ば、バレました(汗)。
実はポコがうちに来た時からこっそり変えてあるんですよ~(笑)。
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